利休にたずねよ。  いや、聞きたくない。

まずいなあ。
読んでいるうちに
主人公がどんどん厭な奴に思えてきた。
お話としては面白いのだけど
いやな男だなあ。
身近にいたら
秀吉じゃないけど
腹を切らせてたかもしれない。


利休にたずねよ
千利休。  
ものすごい美意識の持ち主だけど ・・・。
その美も、人に認められることを結局求めているようで、
高麗の美姫とのことによって
「茶の道が寂とした異界に通じてしまった」
それなのに
・・・・己の女性に対する美意識を信長で試すか!
    さらに、黄金の茶室で試すか!
うっとおしいおまけに、けっこう物騒。
異界に通じたなら、冥府魔道の茶人として生きればいいのに。(山田風太郎?)
こいつは、いさぎよさが足りない。
「ばっかじゃないの」と 言ってやれたら気持ちがいいのだけど。



小説としては達者だと思うけど、読後感はよくないと思います。


利休にたずねよ

利休にたずねよ